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お宮参りはいつ行くべき?お食い初めとかぶってもいいのか

特集
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赤ちゃんにとって生まれて初めての行事になるお宮参り。それだけにいつ行けばいいのか、諸説あって判断に悩む方も多いでしょう。   この記事では、お宮参りの適切な時期や、お宮参りでの男女別の服装、食事会の必要性などについてご紹介します。   さらに、夫婦の他に祖父母も招待すべきかどうか、招待すべき親族の範囲についても解説していきます。この記事を読んで、お宮参りの際の不安を一気に解消しましょう。  

お宮参りとは

今は医療も発展し、清潔で衣食住に困ることのない生活を社会に保障されているため、赤ちゃんが生まれてすぐに病死することはごくまれになりました。   しかし、ここまで医療が発展する以前の日本では、生まれてすぐに衛生面や伝染病によって、その命を落とす赤ちゃんも多かったのです。   赤ちゃんが当たり前に23日で亡くなってしまう時代に、1日でも長く生きられるよう、健康で幸せな人生を歩めるようにという家族の祈りをこめて、神社にお参りし、名前を読み上げて祈祷してもらっていたのがお宮参りのはじまりです。   今も「赤ちゃんの幸せと健康を祈るため」という目的は変わっていません。また、お宮参りなどの子どもに関する行事は、少子化の影響から一人の子どもにかけるイベント費を夫婦双方の祖父母が出すことも多く、昔よりもより盛大に、華やかに行う家族も多くなっています。  

お宮参りはいつ行ったらいいのか。遅くなっても大丈夫?

お宮参りを行うにあたって、生後何日で行うのが常識的なのでしょうか。   また、常識的な日数がわかったとしても、赤ちゃんや産後の母親の都合で日にちをずらすことは可能なのでしょうか。   赤ちゃんのためにお宮参りをするのに、非常識……と後ろ指を指されないためにも、お宮参りの適切な時期をご紹介します。  

基本的に30日前後で行くのがしきたり

お宮参りに行く日は、実は赤ちゃんの性別によって少しの違いがあります。   男児の場合は生後31日、女児の場合は生後32日にお参りに行くのがしきたりです。   しかし、実際に生後30日前後の赤ちゃんを神社に連れていって、祈祷や記念写真撮影などを行おうと思ったら、2時間~3時間はかかってしまいます。   その時間を生後30日程度の赤ちゃんが耐えるのは困難であり、母乳育児の場合はちょうど次の授乳サイクルにかかるため、母親側も胸が張って痛くなるというデメリットがあることも事実です。  

現代では生後100日に行く人が多い

上記のように生後31日、32日でお宮参りに行くことは、母子ともにデメリットもあることから、現在は生後100日にお参りする人もいます。   生後100日にお宮参りすることは「百日詣り(ももかまいり)」と呼ばれており、地域によっては生後3132日後ではなく、元々100日後にお参りするという地域もあります。   元から生後100日にお参りするものと決まっているのは、同じ都道府県でも市や区によっても異なるため、出産した場所、あるいは夫婦どちらかの出身地の風習に合わせたほうがよいでしょう。   

参拝しやすい季節まで待っても問題はない

生後30日程度、あるいは生後100日など、地域によってお宮参りするべき時期は異なりますが、お宮参り自体が形骸化されつつある現代では、神社にお参りして記念撮影ができれば、時期はあまり関係ないという考え方もあります。   たとえば出産してから、30日後(あるいは100日後)がちょうど真冬で、寒い思いをさせてまで赤ちゃんを外出させるのは控えたい……という人は、春先にずらしても問題ありません。   時期はずれだとしても、赤ちゃんの健康と幸せを神様に祈る目的で神社を訪れ、祈祷してもらうという本来の目的が達成されれば、時期の問題はさほど大きな問題ではなくなってきています。  

お宮参りとお食い初めはかぶってもいいの?

お食い初めとは

お食い初めとは赤ちゃんの健康を願う、生後100日前に行われる行事です。   我が子の今後の成長を願うとともに、この時期から赤ちゃんが歯が生えはじめることもあり、一生食べ物に困らないようにという願いも込められています。   そのためお食い初めでは豪華、豪勢な食事が出されることに多くなっています。   ただしこの時期はまあだ赤ちゃんはまだ固形物が食べることができないので、基本的に食事を食べるフリだけをさせるのが一般的です。  

お宮参りとかぶっていいの?

先ほど説明しましたが、お宮参りは地域や親族のしきたりによっていつ行くのかの時期が異なります。   またお宮参りとお食い初め、どちらも赤ちゃんの健康を願う行事なので、かぶることはそこまで問題ではありません。   ただし、しきたりの観点からすると「お宮参り」➡︎「お食い初め」という流れが自然です。 また赤ちゃんの成長は早いので、生後30日前後の写真、100日前後の写真とそれぞれ行事に参加して写真を取ることで一生の思い出に繋がることもあります。   こだわりがないのであれば、一般的なしきたりの時期にしたがってお宮参りに行ってみるのもいいでしょう。  

お宮参りの時期をずらす場合の注意点

お宮参りの時期は、本来の赤ちゃんの健康と幸せを祈るという目的を重視して、赤ちゃんの健康に害のない時期にずらすこともよいものですが、実際にずらすとなった場合、誰かに相談したほうがよいのでしょうか。   それとも夫婦の問題として夫婦のみで把握していればよいのでしょうか。出産後にお宮参りの時期をずらしたことで、親族間での摩擦が起こらないよう、あらかじめ把握しておきましょう。  

祖父母等に連絡をいれておく

祖父母がお宮参りに参加する・参加しないにかかわらず、孫に関する行事について、何も知らせずにいると、後になってもめ事になることもあります。   特に地域によっては、祖父母が赤ちゃんに次いで主役のような立場で参加するところもあるため、連絡を入れずに時期を後にずらしていると、「果たしてお宮参りを知らないのでは……」と非常識者扱いされてしまうこともあります。   時期をずらす前に、まずは祖父母にその地域の風習を尋ね、どのような理由で何月にずらす予定かという旨を連絡しておくことをおすすめします。  

赤ちゃんの体調による理由の場合、無償で日程変更できる神社も

お宮参りの日にちを当初決めていたのに、赤ちゃんが風邪をひいたり、その他の感染症にかかってお参りできなくなってしまったり……という予想外の日程変更もあるでしょう。   もちろん赤ちゃんの健康が第一ですが、「お宮参り奮発したのに」と、予算のことが頭をよぎる人もいるのではないでしょうか。   今は赤ちゃんの都合を考慮し、赤ちゃんが熱を出したなどの健康上の理由による日程変更の場合は、キャンセル料もとらずに対応してくれる神社があります。   産後の育ちに不安のある場合でも、無償で日程変更できるところを選べば、赤ちゃんの健康を第一に考えた日程調整が可能になるのです。  

基本的に夫婦と赤ちゃんの都合を優先してよい

お宮参りは、赤ちゃんの健康と幸せを祈るものですから、土地のしきたりも重要ではありますが、赤ちゃんと父親・母親の都合に合わせてもよいという考えもあります。   特に初産を経験したばかりの母親は、産後の肥立ちが悪いと困るという理由で、1か月間ほど家事もせず、外出も控えることがあります。   またなかには、出産後初めての外出がお宮参りという人も多い中でそれまで安静にしていたことから外出の刺激に耐えられず、体調を崩す母親もいます。赤ちゃんにしても、2時間おきに授乳しなければ空腹で泣き、オムツが汚れて泣き……というように、あまり外出に向いている状態ではありません。   そのため赤ちゃんと産後まもない母親のことを考えてのことであれば、お宮参りの日にちをずらしても問題ないといえます。  

お宮参りの服装は?男の子と女の子の違い

お宮参りは古くからの行事のため、参拝時になにを着て行かせるかで悩む人も多いでしょう。   季節によっては、古くからのしきたりで決められた服装で参加させるのを躊躇する人もいます。それではお宮参りに行く際はどのような服装が望ましいのか、男女別にご紹介します。  

男の子のお宮参りの服装

男児・女児問わず、自宅から着て行く服装はいわゆる「ベビードレス」を着用します。ベビードレスの色は、多くが白、あるいはクリーム色が主流です。   出産した病院・クリニックから退院する際に、赤ちゃんにベビードレスを着せるのが一般的ですが、ここで着用したものでも、サイズさえ合っていれば構いません。   それに加えて男児の場合、男性の礼装用和服である「黒羽二重(くろはぶたえ)」やこれの紺色のものに、鶴や鷹などのおめでたい模様を加えた「祝い着」をベビードレスの上から掛けてあげます。   男児の場合、最近では黒や紺に限らずロイヤルブルーなどの色を選ぶ人も増えています。   自宅を出る時から祝い着をかけている場合もありますが、多くは神社や併設されているフォトスタジオなどでレンタルしているでしょうから、その場合は神社に到着してから掛けても構いません。   後から祝い着を掛ける場合は、必ず祝詞をあげる前に掛けるようにしましょう。また、祈祷が終わった後は一度脱がせても構いませんが、写真撮影時にはまた掛けなおすことになります。  

女の子のお宮参りの服装

女児の場合も男児と同様に下にベビードレスを着用します。ここまでは男児と同じですが、上に掛ける祝い着の色や模様が男児とは異なります。   女児の場合、よく選ばれる色は染生地が綸子(りんず)地、あるいは縮緬(ちりめん)でできた赤やピンクが多くなっています。   男児では古典柄が主流となっていますが、女児の場合、古典柄はもちろんのこと、洋花をあしらえた現代柄(モダン柄)を選ぶ人も増えています。古典柄を選ぶ場合は、鈴、櫛や毬の模様と、和花を組み合わせた模様も人気です。   全体に柄を散りばめたデザインは昔から一般的に用いられていますが、近年では裾のみ、身ごろのみなど、部分的に柄のあるデザインも選ばれています。   ただし、女の子に限って、昔ながらの祝い着ではなく、ベビードレスの上にデザイン性の高いケープを掛けて、祝い着代わりにするケースも増えています。   フォトスタジオでカジュアルに撮影したくて、祈祷の直後に撮影の予約をしている場合、「写真うつり」を優先した結果だと考えられます。   ベビードレスのみでお宮参りに参列しても、問題はありませんが、しきたりを気にする人と一緒に参拝する場合は、違和感を持たれる可能性もあるので注意が必要です。  

お宮参りは誰と行く?祖父母も行っていいの?

男女問わず上述してきたような祝い着は、母方の祖父母が用意します。レンタルする家庭も増えてきたため、実際は夫婦で予約をして、会計を母方の祖父母に任せるという方法も増えています。   では父方の祖父母はどうするかというと、父方の祖父母が赤ちゃんを抱いて祈祷してもらったり、写真に写ったりするのです。   そうなると、必然と父方の祖父母は一緒にお宮参りに行くことになりますが、今はこのようなしきたりも形骸化しているため、夫婦と赤ちゃんのみでお宮参りに行く場合もあります。   一方で、両家の仲がよい場合は、母方の祖父母や兄弟・姉妹など、幅広く親戚を巻き込んで参加している家庭もあります。  

お宮参り後の食事会は必要?

最近では神社が「お宮参りプラン」という名目で、祈祷・写真撮影・食事会をセットで提供しているところもありますが、そもそもお宮参り後の食事会は必須ではありません。   多くの場合は、比較的長時間かかる行事が終わった後、そのまま解散するのも気が引けるという理由や、赤ちゃんも休憩が必要だという理由で食事会になります。   食事会は、お宮参りプランとしてセットで用意されているレストランで行う場合もあれば、父方あるいは母方の祖父母宅、もしくは夫婦の自宅などに参列者を招待し、お寿司などの店屋物をとる場合もあります。   費用は誰が払うという決まりはありませんが、あらかじめ支払うのが誰かを決めておいたほうが、後々もめ事に発展せずに済むでしょう。  

まとめ

お宮参りは、生まれてきた赤ちゃんの末永い健康と幸せを神様に祈るための重要な儀式・行事です。   適した時期はその土地によって異なりますが、赤ちゃんの健康を祈るための行事ですから、無理に寒い、暑い思いをさせないような時期を選んでもよいでしょう。   また、お宮参りには祝い着を掛けますが、男女によって色と柄に差があります。しきたりを重んじる家庭の場合は古典的に、そうでなければ現代柄で華やかさを演出しても構いません。   現代では、お宮参り本来の目的を忘れず、赤ちゃんの健康と幸福を祈念できるなら、時期も服装もある程度の常識の範囲内であれば自由になりつつあります。

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