季節によって変わる着物の仕立て方

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繭から糸へ、染めと織りの着物

着物の代表的な素材はなんといっても絹である。繭から引き出した糸を撚りあせ、生糸を作り出す製糸を行う。一個の繭からは1000~1500メートルの生糸が引ける。一反の着物地には約5キロメートルの繭が必要となる。 そして出来た生糸から白生地を織るのだが、織り方によっては光沢のある綸子(りんず)、しぼと呼ばれる凹凸がある縮緬、縞状の筋が特徴的な絽など様々な質感の生地が生まれる。このようにして白生地が織りあがったら色を染める。染めの着物は白糸を織って白布にしてから染め、色柄をつけたものである。(後染めとも呼ばれる。) 織りの着物は糸そのものを染め、それを織ることで模様を出すものである。(先染めとも呼ばれる。)羽化してしまったくず繭を広げ真綿にしてから手で撚りをかけて絹糸を紡ぐ。節があるため素朴な風合いがある。代表的なものは紬で、糸の種類によっては四つに分けられる。紬のほか、御召や木綿も織りである

一反もめんは、反物の妖怪?

そうして出来た生地が反物と呼ばれる。 反物は着物一枚分(一反)の生地を円筒の芯に巻かれている。通常幅九寸五分(約36センチ)長さ三丈(約12メートル)に織られている。ここから袖二枚、身頃二枚、衽二枚、衿一枚、共衿一枚の八つのパーツに分けられ裁断する。各パーツは直線裁ちのため縫い目をほどいて元のパーツに縫い合わせると一枚の反物に戻すことが出来る。着物が傷んでくると反物に戻してお手入れをすることも出来る。

長い一枚の布から、長く着る着物へと

仕立ての際、採寸をするが身丈、身幅、裄、袖丈、繰り越しの五点がポイントである。(図1参照)江戸時代に標準寸法というものが出来たが、体系や好みも変化した現代では時代に合った寸法が求められる。着物は大まかで融通が利くと思われがちだがすっきりと着こなすためには自分の体型に合わせた寸法で着るのが基本である。着物の仕立てには、手縫い仕立てとミシン仕立てがあるが、手縫い仕立てのほうが糸に適度な緩みが出るため着やすさが違う。

四季を感じる仕立て方

仕立ての方法は単衣と袷の二種類に大別される。 袷は胴裏と八掛をつけたもので十月~翌年の五月頃まで着る。一方、単衣は裏をつけずに仕立てたもので、六月~九月に着る。四季のある日本の平安以来の習慣『衣更え』を目安に着分けている。着物の素材や着る目的、好みなどによって仕立て方が違っている。 薄物は単衣仕立てだが絽や紗、麻、絹紅梅など透ける素材を使った着物で七月、八月に着用する。これらは長襦袢が透けて見えて涼やかである。強度をつけて保ち透けすぎを防ぐために部分的に布をつけて仕立てる居敷当てもある。ちなみに浴衣は七月、八月に着るが薄物とは言わない。 (以下図2参照) ・絽(透ける部分が横縞になって表れる絽目が特徴的) ・紗(軽い生地感と通気性の良さで高温多湿の日本の夏でも心地よい、均一に透ける素材) ・麻(水の吸収と発散がよく湿気の多い日本に適している、木綿が普及する前は一年中庶民が着用していた) ・絹紅梅(格子状の畝が浮き上がっている、薄くて軽いが適度な張りがある。夏着物や高級浴衣に用いられる) 袷仕立ては胴裏と八掛をつけたもので日本の春秋冬に着用されている。袷の中でも胴裏をつけず裾回しだけをつけて仕立てた胴単衣という方法もあり汗をかきやすい人におすすめである。 春は染織りの着物は、さらっとした感触の一越縮緬(ひとこし)、やや薄い生地の紋意匠縮緬、光沢のある綸子が、平織りの着物は大島紬や、明るい色の草木染め紬の紅花紬、しゃきっとした御召などがふさわしい素材である。 秋はしぼが立って凹凸感のある古代縮緬(こだい)、地紋をくっきり織りだした紋意匠縮緬などで、結城紬や信州紬など秋が深まるにつれて明度、彩度を下げていくのが秋の装いである。 冬は重厚感のあるもっともしぼの高い鬼しぼ縮緬、厚手の紋意匠縮緬、光沢があって地厚の緞子(どんす)、結城紬や郡上紬などが暖かいため着用される。

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