子供が主役!七五三・入卒式などのお母さん着物

「着物って面倒」ということをよく耳にします。着付けや髪型などいろいろ出かけるのに準備がかかることもその理由ですが、どういった場所に、どんな着物を着ていけばよいのかというのも、面倒に感じさせる原因のひとつのようです。

とくに子供のお祝い事で、周りの目が気になるところでは、躊躇してしまいますよね。ですが、せっかくの節目なので、お母さんも着物を着てお子さんをお祝いできたら、とても思い出に残る一日となります。以下のポイントを抑えて、お母さんとしてとても素敵な装いでお出かけしてくださいね。

七五三・入卒式の主役は子供

フォーマルな着物なら何でもいいと、「せっかくだから、1度しか着ていない振袖を着よう」というのは絶対にやめましょう。露出の多いきらびやかなドレスを着て出席しているのと変りません。ふさわしいとされるお母さん着物は以下の種類です。

<お母さん着物に相応しい着物の種類>

・ 色無地
・ 訪問着
・ 江戸小紋
具体的に見ていきます。

■色無地

黒以外の一色で染められた着物。地に柄が織り込んであるだけで、柄はつけられていない。紋なし、または一つ紋程度が良いでしょう。

濃い色は避け、薄いピンクやクリーム色は、どんな場面でも使いやすい。帯は袋帯で、派手すぎないものを選びましょう。金・銀・白などがベースになっているものがベター。

■ 訪問着

裾まわり、左胸、袖に柄が入っており、またその柄が全体でつながり、着物1枚で一つの絵の様に絵付けがされているもの。パステルカラーややさしい色をチョイスすると、華やかでやさしい印象になります。派手すぎるものは避た方が無難です。

帯については、こちらの写真の着物の場合、薄色の地に黒の帯をすると引き締まった印象になりますが、銀や白を合わせると上品な印象になります。

■江戸小紋

江戸小紋とは、遠目から見ると色無地に見え、近くで見ると柄が入っているという粋な柄付けのしてある小紋ですが、格としては色無地と同格なので、お母さん着物にはぴったりで、帯次第で表情の変わる着物です。

江戸小紋といえば、代表的なのはこちらの「鮫小紋」。右の写真の様に、上品な帯を合わせると美しいでしょう。
出典(左)http://item.rakuten.co.jp/maroan/ma-09-0701m/
出典(右)http://item.rakuten.co.jp/maroan/ma-09-0701m/

着物の地味、派手ってなに?

かなり個人の感性に左右される部分ですが、派手に見える要素を考えてみると、
・金銀が多く使ってある
・地色や柄に原色系の色が入っている
・大柄で大胆なデザインのもの
・柄のコントラストがはっきりとしているもの

などの理由が考えられます。上記に2つ以上当てはまるものは、とてもおしゃれで素敵な要素でもあるのですが、お子様が主役の際には、“張り切りすぎている”印象を与えてしまうと思うので避けましょう。
また、逆に柄が少なく、濃いグレーや渋い紫など地味すぎる色を選ぶと老けてしまいますので注意です。

左:地の色はきれいなのだが、柄が大胆でコントラストもはっきり。このまま袖が長くなったら振袖になってしまうほどの豪華さを持っている。
右:黒とピンクのコントラストがはっきりしすぎ、またピンクが華やか過ぎてしまう。
両者ともに訪問着なので、着て行っていけないわけではない。ですが、着るなら親族との食事会程度にして、神社にお参りに行くときにはお子様に目がいく様な装いに気を遣われることをお勧めします。

着物の柄は何柄が良い?

訪問着を選ぶ際には以下のような柄を選ぶと、季節問わず使いやすいです。
・四季の花々がまんべんなく描かれているもの
・御所車、扇、鶴といった吉祥文様
・写実的でない植物柄(なんの植物か一見判断しにくいもの)

例えば、七五三は秋なのに、春咲きの花のみ(たとえば梅や木蓮、藤など)が描かれているものを着てしまって失敗したという方もいらっしゃるかもしれません。ですが、お花も抽象的であったり、デザイン化されて、花の名前が断定しにくいものであれば着用しやすいでしょう。また、桜(幹や枝があまり描かれていないものに限る)については日本の花なので、通年通して着ることができると言われています。

こちらの熨斗や扇に、四季の花が描かれた訪問着は通年で着用できるおめでたい柄。

七五三などでは親族の方みなさんで食事を囲んだり、神社で子供の成長を祈願したり、お子様にもご両親にも思い出に残る節目となるでしょう。着物は、相手への気持ちを衣服に込める、日本人の「おもてなし」が詰まった衣装ですから、たくさんの愛情を持って、お子様との素敵なひと時をお過ごしください。

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