京都祇園随一の桜の名所 円山公園

円山公園の祇園枝垂桜と坂本竜馬

公園内には850本ともいわれる桜が植えられており、京都屈指の花見の名所として知られています。特に名を馳せるのが祇園枝垂桜です。初代祇園枝垂桜は江戸時代に植えられ、現在では樹齢80年以上になる2代目が一本静かに公園に佇んでいます。枝垂桜は例年4月上旬までですが、八重桜は中旬過ぎまで楽しめます。また、夜桜見物の歴史も古く、「祇園の夜桜」としても知られています。江戸時代に発行された京都の観光案内書といえる『再撰花洛名所図絵』には『祇園林夜桜見物図』として、かがり火や提灯の灯によって照らし出された夜桜の下で賑わう多くの人々の姿が描かれています。今ではかがり火や提灯の灯りは照明機器など電気の光に変わってしまいましたが、照らし出された夜桜の下で思い思いにその幻想的な美しさを楽しみ賑わう人々の姿は今も昔も変わりません。

さらに、公園内には坂本龍馬・中岡慎太郎像があります。2人が揃った像は珍しく、高知桂浜の龍馬像と並んでファンの間では有名です。これらの像が建てられたきっかけは、高知出身の元海軍大臣だった吉松茂太郎が、日本海軍の祖として尊敬していた坂本龍馬と同陸援隊の中岡慎太郎の像を縁の地である京都に建てようと、円山公園の一角に建てたのが始まりです。坂本龍馬・中岡慎太郎像は、堂々と立つ坂本龍馬の横に中岡慎太郎が中腰で座っている形で彫刻が彫られています。これは、背の高かった坂本龍馬と小柄な中岡慎太郎との身長の差を隠すためだといわれています。