祇園周辺 青蓮院-厳格な寺院に潜むミステリー

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青蓮院の歴史について

日本天台宗の祖最澄(伝教大師)が比叡山延暦寺を開くにあたって、山頂に僧侶の住坊をいくつも作りましたが、その一つの青蓮坊が青蓮院の起源であると言われています。また、平安時代末期に、青蓮坊の第十二代玄大僧正に、鳥羽法皇が御帰依になって第七大路をその弟子とされ、院の御所に準じて京都に殿舎を造営して、青蓮院と改称したのが、門跡寺院としての青蓮院の始まりであり、行玄が第一世の門主です。行玄の弟子として鳥羽上皇の皇子である覚快法親王が入寺し、以降、皇族などが門主を務める格式高い寺院となりました。歴代門主の中には、「愚管抄」の著者として著名な慈円や、後に室町幕府第6代将軍足利義教となる義円、「青蓮院流」で有名な尊円法親王などがいます。明治26年(1893年)の火災で大部分の伽藍が失われてしまいました。

青蓮院の将軍塚の伝説について

青蓮院の飛び地境内である将軍塚は桓武天皇が長く平安京が守られるようにと北、東、西の三方に20メートル四方の塚を作らせ、その上に武将の像をたてたうちの現存する一つです。

もともとが国の平安を祈願して作られた将軍塚はそれゆえに、国に一大事が起こるような場合にはその前兆として鳴動するという伝説があります。実際に「源平盛衰記」や「太平記」などに鳴動の記述があり、それからの動乱の時代の暗示をしているのです。

都の鎮護の為高さ2.5m程の将軍の像を作り、鎧兜を着せ弓矢や達を持たせて塚に埋めさせたものです。一説には坂上田村麻呂を武具姿のまま棺に入れて埋めたとも言われています。

この「将軍塚」は国家に異変があると鳴動すると各歴史書に書かれています。

例を挙げると、

1233年鳴動。

1349年、将軍塚鳴動し、虚空を兵馬が駆ける音がする。

1493年、朝将軍塚が頻りに鳴動。

1786年、夜半に太古の音が響き、その日に賀茂川が洪水を起こした。

このように、江戸時代に至るまで、将軍塚鳴動の記録が残されています。

青蓮院の見所

青蓮院は観光客の多い京都東山に位置します。境内全域が国指定の史跡となっていますが、中でも池泉回遊式庭園が1つの見所です。門跡寺院の特徴として建物内の襖絵も素晴しく、宸殿内には重要文化財の濱松図襖があり、圧巻です。更に国宝の不動明王像図も素晴しく、天台密教の秘伝である曼荼羅の中心にいらっしゃるのが宇宙の全てをつかさどる大日如来で、不動明王はその化身だと知ると、なおさら感慨深いものがあります。

青蓮院の飛地境内である将軍塚大日堂からは京都を一望でき、その眺めも素晴しく、青蓮院からはシャトルバスもあり、ぜひ訪れたい所です。

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基本情報

祇園周辺 青蓮院-厳格な寺院に潜むミステリー
  • 京都府京都市東山区粟田口三条坊町
  • 9:00~17:00
  • 075-561-2345
  • 市バスA1のりばから5系統「銀閣寺・岩倉ゆき」で「神宮道」下車。下車後、進行方向と反対方向に直進。徒歩4分。
    市バスD2のりばから206系統「祇園・北大路バスターミナルゆき」で「知恩院前」下車。下車後、進行方向に直進し、知恩院前の十字路を右折してそのまま直進。T字路を左折してしばらく進むと右手にございます。徒歩9分。

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