元苦抜(くぬき)地蔵こと釘抜地蔵石像寺

特集

2015.01.14

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石像寺の歴史

石像寺は819年に空海によって建立されました。空海は唐から持ち帰った石を利用して釘抜地蔵を作り、本尊に置いています。当時は地蔵菩薩という名前でしたが、徐々に名前が変わって釘抜地蔵となりました。元々は真言宗の寺として建立されていたものの、空海亡き後には浄土宗の寺と改宗されています。また石像寺は一時期荒廃しており、再興が行われています。現在の形になったのは1614年であり、今もその形を残したまま保存が行われています。

石像寺の見所

石像寺は819年に空海により創建された寺院で、見所は本堂に安置されている本尊で、空海が唐から持ち帰った石を彫って作られたと伝わっている地蔵菩薩です。地蔵菩薩は苦しみを抜き取ってくれることから、苦抜(くぬき)地蔵と呼称され、それがだんだんなまって釘抜地蔵と呼ばれるようになりました。釘抜地蔵には伝説があり、室町末期に紀ノ国屋道林という商人が両手に激しい痛みを感じていて、様々な治療を試したが効き目がなかったため、地蔵菩薩に願掛けをしたところ、夢に地蔵菩薩が現れて両手の痛みを消してくれたということです。

石像寺の文化財

石像寺には重要文化財として、本堂の後ろにある小堂に花崗岩製の阿弥陀如来坐像、その両脇に脇侍として観音菩薩立像と勢至菩薩立像があります。これら3体の像には、その光背にそれぞれ対応する種子と呼ばれる各尊を梵字一字で表したものが刻まれています。また、真ん中の阿弥陀如来像の光背の銘から、この像は伊勢権守佐伯朝臣為家という人物が願主となり、元仁2年(1225年)に完成したことがわかっています。その為、制作年がわかっている鎌倉時代の石造彫刻の基準作として、大変貴重であるとされています。また、堂内の右側に安置されている弥勒仏像も重要文化財に指定されています。

石像寺の釘抜地蔵

石像寺には釘抜地蔵があり、苦しみを抜き取ってくれるとされています。室町時代に痛みに悩まされていた商人が、夢の中に出てきた釘抜地蔵によって痛みが無くなったとされています。そうしたことから釘抜地蔵と呼ばれるようになり、現在まで親しまれています。身体に痛みを持っている方は、2本の釘と釘抜きを貼りつけた絵馬を奉納します。これによって体や心の痛みを消すことが出来るとされており、毎年多くの方が利用しています。釘抜地蔵の本堂には、約1000枚の絵馬が貼り付けられています。

釘抜地蔵と国屋道林

商人の国屋道林は40才の時に突然の両手の痛みに苦しみます。しかし、様々な治療をしても治らずに悩んでいました。その時に、あらゆる苦しみから解放してくれるという苦抜地蔵の話を耳にし、このお地蔵様に願をかけて祈りました。すると夢の中にお地蔵様があらわれ、この手の痛みは前世の道林が人形に釘を打ち込み、呪いをかけたものが報いとして道林にあらわれたものであると告げ、2本の釘を抜き取って道林に見せます。道林が夢から覚めると、手の痛みはすっかりと消えており、喜んだ道林は早速苦抜き地蔵にお礼にゆくと、お地蔵様の前には血塗られた2本の釘が置いてあったといいます。これ以降、苦抜き地蔵は釘抜き地蔵と呼ばれる様になったのだといいます。

石像寺の地蔵しるこ

石像寺では、毎月24日に住職の法話と共に地蔵しるこが振る舞われます。別名「おしるこの日」とも呼ばれ、参加者は無料で頂くことが出来ます。少し変わった風習として、食べる前に参加者全員で「おしるこの唄」を謳うのがこちらでの習わしとなっています。多い日では250杯以上出るという地蔵しるこ。檀家さんの奥さまも手伝って毎月賑やかな催しとなっているようです。無病息災に効くというこの地蔵しるこを頂くと病気が治るとの言い伝えがあります。

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