四天王寺 日本の中に大陸を感じる建造物
四天王寺の歴史
四天王寺は、1400年程前の593年に聖徳太子により建立されました。聖徳太子がこの寺を建立したのは、物部守屋と崇仏派の蘇我馬子の合戦に際し、蘇我氏の勝利を祈願して四天王像を彫り、勝利すれば四天王像を安置するお寺を建て、世の中の民を救済すると言う誓いを立てられ、その誓いを果すためと日本書紀に記述が残っています。四天王寺は、四天王寺式伽藍配置と呼ばれる、中門と五重塔と金堂と講堂を一直線に並べ、それを回廊が取り囲むという古い様式で建立されました。しかし、この貴重な建造物は、昭和9年の室戸台風によって五重塔が倒壊する等の被害を受け、苦労の末に昭和15年に再建されるも、その後すぐに昭和20年の大阪大空襲により、境内のほぼ全域が焼失してしまいました。戦後、多くの人の協力により、昭和38年には現在の中核伽藍が再興されました。また宗派的には、四天王寺は天台宗の寺として存在してきましたが、戦後間もなく天台宗から独立し、和宗を創立してその総本山として、仏法興隆と太子精神を本願とする寺として現在に至っています。
四天王寺の見どころ
・六時礼賛堂
四天王寺の中心に位置する大きなお堂です。1日6回ここで礼賛(念仏などの勤行)が行われることからこの名がつきました。前には立派な石舞台が広がっており、ここで4月22日に毎年聖徳太子を忍んで法要が執り行われます。
・五重塔
四天王寺の境内には外からでも目立つ立派な五重塔があります。一般公開されており、5階まで一般の方でも上がることが可能です。塔内部には、釈迦の壁画や四天王の像が祀られています。
・金堂
四天王寺の本尊であり、聖徳太子のご本地仏である救世観音が祀られています。そして、その守護として、四方には四天王が配されています。
・講堂
伽藍の奥に位置するお堂で、ここでお経が講じられます。古くは、聖徳太子もここでお経についての教えを説かれたと言われています。東西に、十一面観音菩薩と阿弥陀如来像が祀られています。
四天王寺の御利益について
四天王寺は古くからある大きなお寺なのでご利益やそれを授かることが出来るパワースポットも複数あるのですが、近年知られざるパワースポット、四天王寺最大の御利益として静かに人の口に上りつつあるのが「物部守屋の祠(もののべもりやのほこら)」です。四天王寺は推古元年(593年)に聖徳太子が建てたお寺ですが、それにさかのぼること用明2年(857年)、聖徳太子の父であった用明天皇の崩御をきっかけに「蘇我・物部の合戦」というものが起こります。結果は外国との外交のために仏教を広めようという考え(崇仏)の蘇我氏が日本古来の神信心を大事にすべきだとする考え(廃仏)の物部氏を打ち破ります。ところが聖徳太子は崇仏派であるにもかかわらず敗れて討ち死にした物部守屋を四天王寺建立に際し祠を作って四天王寺の境内に祀り、また生き残った守屋の家来たちも寺の公人として採用し働かせた。この大きな慈悲の心にに感激した物部守屋の霊はそれ以後、四天王寺を守護することを誓い、参拝するすべての人々の願いを叶えるようになった、という伝説が生まれ、そのご利益の中心たるパワースポットが物部守屋の祠なのです。聖徳太子のご慈悲が無辺なように物部守屋の慈悲もまた無辺でしょうが、やはり直接祠に赴きお参りをした方が物部守屋の御霊にも喜ばれ、またご利益も強まることかもしれませんね。
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