大学生3年生になると、急に卒業のことを意識し始める理由の一つが振袖の前撮りです。1年近く前から卒業式に着る着物を考えなければいけないため、どんな振袖にしようかな、どんな帯にしようかなと悩む女学生も多いはず。
特に二尺袖と言われている小振袖は学生までしか着ることができないので、ぜひ学生の間に着用しておきたいですよね。そこで今回は卒業式を控えている学生に振袖と袴の選び方を紹介します。
目次
袴は振袖のおまけではない
袴は振袖のおまけくらいに考えている人もいますが、実は袴の選び方次第では、振袖姿は派手にも地味にもなります。
なぜなら女性の袴は胸高、つまり胸のすぐ下で袴を結びます。そして胸高から足のくるぶしまで袴で覆われるため、前から見るとほとんど袴で覆われます。
そのためどの振袖にどの袴を合わせるか、これが非常に重要になります。それぞれが綺麗な色だとしても、振袖と袴の色が調和していなければ、結局はアンバランスな組み合わせになってしまいます。
そのため振袖を選ぶのと同じくらい、真剣に袴も選びましょう。
振袖の種類
どの振袖を選ぶのかを決める上で、振袖の種類を知っておくことは重要です。それぞれの用途や立場によって着用する場面も変わってくるので、しっかりと覚えておきましょう。
振袖には大振袖、中振袖、小振袖の3種類があります。大振袖、中振袖、小振袖の順番で格式が高いのですが、近年は大振袖と中振袖はあまり厳密に区別されないこともあります。
大振袖はもっとも袖丈が長く、次いで中振袖、そして最後に小振袖になります。小振袖は別名二尺袖とも言われており、袖丈が二尺(76cm)程度の長さになっています。二尺袖は袖丈が短いので可愛い印象を与えることができますが、基本的に学生時代しか着用することができませんので、卒業式では二尺袖を着用する女性が多くなっています。
また振袖は未婚女性の第一礼装であり、既婚女性は留袖か訪問着を着ることになります。そのため振袖、とくに二尺袖を着ることができるのは学生までであるということを理解しておきましょう。
卒業式の振袖なら二尺袖(小振袖)がおすすめ
卒業式にどの振袖を着るか迷っている人には二尺袖をおすすめします。
お振袖、中振袖は未婚であれば卒業後に着ることも可能ですが、二尺袖は学生時代までしか着ることができません。
そのため希望の振袖の種類が決まっていないのであれば、まずは小振袖の試着をしてみるのもいいかもしれません。
また二尺袖は学生で着られる機会が最後のため、購入してしまうと一度しか着ることができずに押入れに入る可能性もあります。
そのため卒業式の振袖に二尺袖を着ようと考えているのであれば、レンタルで借りることをおすすめします。
振袖選びの気をつけるべきポイント
二尺袖を着ることができるのは学生までなのでおすすめしましたが、もちろん大振袖や中振袖で卒業式に参列しても問題ありません。
ただしその時に気をつけるべきポイントとしてあげられるのは、袖丈の長さです。大振袖になれば114cm前後の袖丈の長さがあるので、小柄の女性であれば袖丈が地面に接触してしまう可能性もあります。
天候に関係なく汚れてしまうことに違いはありませんが、特に雨の場合はより振袖が汚れてしまいます。そのため振袖を選ぶ際は地面に袖丈が触れないか、触れる場合どのように対策をするかをしっかりと把握しておきましょう。
袴の種類
振袖にも種類があるように、袴にも種類があります。袴には大きく分けると、行燈袴と馬乗袴という2つの種類があります。
行燈袴は襠(マチ)がないタイプの袴で、いわゆる女性のスカートのような袴になります。
一方で馬乗袴は股に襠があり、スカートというよりもズボンに近い形をしています。そのため女性が卒業式に着用するのは女袴と行燈袴になります。
袴を選ぶときの気をつけるべきポイント
袴を選ぶときに気をつけるべきポイントは、サイズと色です。男性の袴は腰周りで結びますが、女性の女袴は胸下で結びます。
また履物を草履にするのかブーツにするのかによってもサイズは変わります。そのため袴のサイズは、自分自身の身長だけでなく、着用する着物や履物一式で決める必要があります。
これらのことを知らずにインターネットで選んでしまった場合、当日に丈が短い、長いと慌てることもあります。落ち着いて最後の卒業式を迎えるためにも、しっかりと事前に準備をしておきましょう。
振袖と袴に合わせる履物の選び方
振袖を着るのであれば、履物は草履になってきますが、袴の場合は草履ではいけないという決まりはありません。
かつて女性の袴は女学生の制服とも言える存在で、その時に履物として活躍したのは草履ではありませんでした。今は袴にブーツというスタイルが好まれますが、それは袴姿の女学生たちが袴に革靴を合わせていたことに由来するスタイルなのです。
袴に合わせる履物は式当日まで悩まれる方が多いですが、その日の天候を見て決める方もいます。
土砂降りであれば草履よりもブーツの方が勝手はよく、寒い日でもブーツの方が足元は温かいです。
スタイルとして袴とブーツの組み合わせが好き、袴と草履の組み合わせが好きというのもありますが、現実的なところで、当日の天候に合わせて履物を決めるのが賢いと言えるでしょう。
レンタルなら振袖と袴の組み合わせが豊富
袴と振袖の組み合わせは決まったものはなく、自分でアレンジします。
自分の持っている振袖に合わせて袴を選ばれる方もいますし、卒業式用に袴も着物も一式借りてしまうという方もいます。
レンタルの良いところは、小物も履物も付いて一式で借りられ、更に当日の着付け所まで紹介してくれるというところでしょう。
予約を忘れがちな袴の着付けの手配までレンタル店でやってもらえるのは便利です。また、卒業式の着物のレンタルを専門にやっているところであれば、小振袖、中振袖の取り揃え量はもちろん、袴の色柄も沢山用意があります。
ネット上で販売されている袴というとワンパターンな柄や色味、一昔前に流行した袴、単色の袴などが多いですが、レンタル着物では最新の流行に合わせた袴が用意されているので、妥協することなく振袖も袴も選ぶことが出来ます。
卒業式は髪もセットして華やかに
袴のヘアスタイルというとハーフダウン・ハーフアップが定番なため、自分でちゃちゃっとアレンジして式に出るという方もいらっしゃいますが、多くの人は式の後の謝恩会やパーティーを見越して華やかなアップスタイルで卒業式にも臨みます。
袴にはハーフダウン・ハーフアップの髪型も素敵ですが、卒業式にはやや地味な髪型となってしまうということは知っておいた方が良いでしょう。
同じハーフダウン・ハーフアップスタイルでも編み込みのものやカーリングさせたものは華が出るので、アレンジしてみるのも手ですよ。
まとめ
振袖と袴は別々のものではなく、二着で一つの服装になると考えると失敗する確率は大幅に下がります。
そのためいまでは、お店が二着セットで販売、レンタルしている場合も少なくありません。
また自分の大きさだけで袴のサイズを決めてしまうと後で後悔する可能性もあります。そのため可能であれば、さまざまな着物を試着して、自分にもっとも似合う振袖と袴で卒業式を迎えてくださいね!